オシムが語る



オシムが語る
オシムが語る

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いよいよ、オシムのファンになってしまった

オシムが、オーストリア、グラーツの監督をしている時に行った、インタビューをオーストリアのジャーナリストがまとめた書である。原書は2002年に、つまり、オシムが来日する前に刊行されている。

伝記の部分は『オシムの言葉』とかなり重なるが、オシム自身の言葉で語られる分、異なる面を知る事が出来る。オシムの語る言葉は、必ずしも明快ではないので、分かりやすくはなっていないのではあるが。彼は、おそらく、必要以上に明快に語る事を恐れているのだろう。人生で起こる事なんて、そんなに明快に割り切る事なんて出来ないのだ。

本書でオシムが分類すればムスリムとなる事を知った。本人は、自分はむしろアナーキストだと言っているし、決してセルビアに対する単純な憎悪を表に出さない。オシムがいかに理性的な人間であるか、感じる事が出来た。

いよいよ、オシムのファンになってしまった。
オシム監督の考え方が分かりました

現サッカー日本代表の監督であるオシム氏がオーストリアのクラブチームの監督だった頃の本です。
サッカーについては選手時代のことは少ないですが、オーストリアでの監督時代の記述は多いです。
また、故郷の紛争に対するコメントもあり、非常にめずらしいものだと感じました。
普段は多くを語らないオシム監督の考え方というのが分かったような気がします。
また、監督としてのすばらしい経歴があるということも分かりました。
オシム前史

本書は、オシムがジェフの監督就任要請を受けて来日する前年(2002年)、
この時はまだオーストリアのシュトルム・グラーツを率いていた彼に対して、
2人の記者がおこなったロング・インタビューをまとめたものである。

本書の監修者でもある木村元彦氏の『オシムの言葉』が、
まずはジェフ時代のオシムの手腕にウェイトを置きながら、
旧ユーゴにおける彼の生い立ちや選手時代に加えて、
代表監督時代や92年以降の内戦などにもまんべんなく言及した、
「通史」的な伝記という側面を持っているのに対して、
本書の特徴は、来日以前の「前史」としての
シュトルム・グラーツ時代(1994-2002)に焦点を絞って、
さまざまな主題についてオシム自身に語らせている点にあり、
オシムに興味があるなら両方を読み比べてみても損はないと思う。

訳文がやや硬いことや、サッカーそのものよりはむしろ、
政治・宗教・戦争絡みの「重い」話題が多いこと、
著者であるオーストリア人ジャーナリストの関心領域が
やや日本人とズレているように思えることなどもあって、
読後に『オシムの言葉』ほどの爽快感はなかったが、
これは著者たちの責任というよりは、
現在の欧州サッカーが抱える様々な矛盾や問題点が
本文中で容赦なく浮き彫りにされるとともに、
(・今や巨大ビジネスの対象となったサッカーの、とめどない商業主義化
 ・西欧の金満クラブの食い物にされる、旧東欧諸国のクラブと選手たち
 ・サッカーを利用した排他的な民族主義の高揚と、人種差別の横行……etc.)
それらに対してオシムが感じている苛立ちが
ダイレクトに伝わってくるところに、おそらく原因がある。

オシムが遠い日本にまで来たのには、欧州のこうした現状に
いささか嫌気がさしていたこともあるのでは、という気もしないではないが、
筋金入りのペシミストであるはずの彼の言葉に、
不思議と人を元気にさせる力があるというのは、
以前から折に触れて感じてきたことでもあって、
今後、彼がどんな日本代表を作るのかにますます興味が湧いた。
"down-to-earth"なオシム氏の人生哲学が良く分かる

オーストリアで2002年に出版された本の和訳です(オシム氏の発言と関係のない箇所は監修者(木村元彦氏)の判断で一部割愛されています)。思慮深いオーストリア・ジャーナリストとのロング・インタビューで、オシム氏が自らの半生、監督の仕事、故郷、リーダーシップ、宗教とテロ、戦争、サッカーと資本主義の関係、スポーツ・ジャーナリズム、ナショナリズム、ポリバレンスなど様々な話題について、自らの言葉で語っている様子が良く伝わります。サッカーの話題にだけとどまらず、サッカーを取り巻く環境(国家、政治、宗教、戦争、ビジネス)の話題がかなりの割合を占めるので、そちらに興味がない読者にはツライかもしれません。しかし、サッカーをプレイするのも、観戦するのも、興行を行うのも、様々な政治的・文化的背景を背負った「人間」なのですから、そのような話題を避けては通れないわけです。個人的には大変興味深い内容ばかりで一晩で読了しました。どの話題を振られてもオシム氏が現実主義的な考えを気取らず真摯に語る様子は正に"down-to-earth"(足がしっかりと地に着いている、素朴な、気取らない、分別(社会常識)のある)、男の美学を感じます。
この本を読むと、オシム氏の考えはブレがないことが良く分かります。「ポリバレント」「水を運ぶ(選手)」など、今では御馴染みの言葉は既にココにあります。「常に問われるのは敗北への心構えだ」(174-175頁)を読むと、2006年W杯前の日本のジャーナリズムの状況(楽観的記事の垂れ流し)への警鐘が既に鳴らされていたのだな、と改めて気付かされます。このオシム氏の「一本筋の通った姿勢」に心惹かれます。
本書で語られるオシム氏の考え方・心構え・哲学は、スポーツだけにとどまらず、サイエンスやビジネスの現場でも応用可能なものがあります。(将棋の羽生氏の著書(「決断力」など)でもそういう楽しみ方があるのと同様です) そういう観点でも楽しめる一冊だと思います。「イビチャ・オシムの真実」よりオシム氏自身の言葉が多い処がオススメです。「オシムの言葉」(木村元彦)と共にどうぞ。



集英社インターナショナル
イビチャ・オシムの真実
オシムに学ぶ
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